オモリグロッド ST-metalシリーズから3年以上が経ち、毎シーズンの実釣の中で、オモリグロッドに必要な事がどんどん見えてきました。
始まりは、鳥取の海佐知丸さんに監修して頂いた『ST-metal SP700』『ST-metal SP705』でした。
海佐知丸さんの船長は、オモリグの先駆者で有り、その経験と知識に基づき監修して頂き作成したオモリグロッドなので、専用ロッドとしての必要な機能を十分に兼ね備えており、そのようなロッドの開発を、させて頂いた事に非常に感謝しています。
そのST-metal SPシリーズを使い込めば、使い込む程に『オモリグ』と言う釣法に向いている事を実感できました。
30号(100g超え)のシンカーをキャストするパワーと微妙な重量変化を捉える繊細なティップの融合は、必要な性能としてある程度理解が出来るかと思います。
そして更に必要だと感じている事は
◆掛けたイカの身切れを防ぐ(ばれ難い)
◆実釣中の体(手首や腕)への負担軽減
細かく言うと他にも有るのですが、大きく言うと上記の2点に集約していると考えています。
では、掛けたイカの身切れを防ぐ為に必要な事とは・・
単刀直入に言うと『大きく全体に曲がるスローテーパー』で有る事です。
微細なアタリを取る為のソフトティップは、掛けたイカを巻き上げて来る際の『オモリ』『イカ』に加え潮流の負荷が掛かるので、ティップは完全に曲がり切ってしまいます。
クッション性能が損なわれた状態で巻き上げ続けると、イカの身が切れてばれるケースが増えてしまいます。
その為、ロッド全体が曲がる・・・負荷を掛ければ徐々に曲がって行くベンドカーブにする事で、身が切れる確率を大きく軽減できると言う事です。
又、この全体に曲がるカーブにする事は、実釣時の身体への負担も軽減してくれます。
極端なファーストテーパーなロッドにしてしまうと、アタリは取りやすいですが、ロッドのカーブ頂点の1点でシャクリ時の負荷を受けてしまう為に、身体への負荷が大きくなってしまい、シャクリ時に『ガツン! 』と来る感覚になってしまいます。
しかし全体に曲がるロッドの場合は、シャクリ時の負荷をロッド全体で受ける為に、その負荷を全体に逃す事でその『ガツン!』が無くなり、手首や腕への負担を軽減に役立っています。
過去に開発に携わったエギングロッドの名竿『サムライブレード』で、その全体に曲がる事の重要性を感じていましたが、既に販売中の『ST-metal SPシリーズ』には、その性能が兼ね備わっていました。
30号(105g)をアンダーハンドでキャストすると言葉にすると、非常に硬いロッドをイメージするかと思いますが、ST-metalシリーズのオモリグロッドは “全体で曲がる” 事で、その機能を果たしていると共に、バラシ軽減と身体への負担軽減につながっています。
今期、初めてオモリグロッドを手にされる方も有るかと思いますので、参考にして頂ければと思います。
基本的なパワーに変わりはないので、船のサイズや水面までの距離に応じて、キャストしやすい長さを選べばOK。
大型の船は高さがあるので7.5ft。
プレジャーボートのような小型の船の場合や、キャストが不慣れだと感じる方は7ftをお勧めします。
投げるオモリグを快適にシャクるためには、専用のパワーハンドルも大きなアドバンテージとなるので、あると非常に便利。
集魚力という意味でシンカーがグローカラーというのは間違いではないが、エギを抱かせるためには、グロー以外のカラーが必要となる場合もある。
オモリグに使用するシンカーは、一般的にグローがポピュラーですが、必ずしもグローが良いとは限りません。
前回のブログにも書いた通り、オモリのカラーでガラッと釣果が変わる事もしばしばあります。 私自身やスタッフ内でもシンカーのカラーを変えた途端に『アタリが出た』『アタリが増えた』等の経験が有ります。
これは、グローでもノーマルグローからオレンジグローやピンクグローへと変更しただけで、釣果に変化が出た事も経験しています。
又、グローが全くダメなシチュエーションも有ります。 そう言う時はエギのカラーもグローが、全くダメで有る事が多いです。なのでシンカーのカラーをチェンジする事で、その日その時のヒットカラーが、大枠で見えて来る事も少なくありません。
エギカラーもハイアピールな蛍光色やグロー系だけで無く、最近はシルエット協調系カラーも、ちまたで流行りつつあります。 これは釣果面で結果が出ているからであり、プロスペックで言うところの『ネイビーレッド』が効くシチュエーションであったりします。
シンカーのマットブラックは、元々フグやサゴシ対策のカラーですが、上記のようなシチュエーションでは、効果が有る事もあるので、エギ同様にシンカーもカラーローテーションしてみる事をお勧め致します。
低重心にすることによって、キャスト時に回転しにくく、トラブルが非常に少ない。 表面にある少し彫った面は、よりゆっくり潮に絡ませて、イカにエギを長く見せるための潮受け面。
ベントで一番多い質問が『リーダーの種類と号数』です。
これは、シンカーを接続している三つ又サルカンにリーダーがクルクルと絡む事が多発する為です。オモリグを始めた頃はフロロカーボンの3号を使用していましたが、エステルラインやフロロ太号数等を試してみました。 そして現在は硬めの『フロロカーボン5号』に落ち着いています。
太さと硬さで絡みを押さえていますが、結構な効果がありトラブルレスな釣りを楽しめています。 多少は、三つ又サルカンに絡む事も有りますがリーダーがクリンクリンに巻いてしまうトラブルは、ほぼ有りません。
太さによる釣果の低減は、今のところ、ほぼ感じていません。 (潮流の状況によっては、有る場合も有ります)一度お試し下さい。
イカメタルでメインに狙うケンサキイカは、他のツツイカと比較して遊泳力が弱い(遅い)ので、小型になればなるほど小魚と同様に群れて外敵から身を守ろうとします。
船灯に集まる魚類等から身を守る為に船下の影で群れているのです。
バーチカルで狙うイカメタルは、この群れを直撃する釣りなのでベイト、スピニングと両方の選択肢が有ります。 手持ちの得意なタックルやリグを使用すれば良いのです。
では船灯の外周はと言うと・・・
遊泳力のある中型~大型のケンサキイカが船灯に集まるベイトを狙って灯りの外側(明暗の境目周辺)を回遊しています。
この1サイズ~2サイズ大きなケンサキイカを狙うのには投げる必要が有り、この場合はスピニングタックルのみ有効となります。
つまり投げるか落とすか・・・の違いです。
船下にリグを投下しバーチカルで狙う釣りは、同じ群れが同じエギやスッテを何度も見る事で、徐々に釣り辛くなる事も少なくないです。
皆さんも途中でアタリが遠のき釣果が失速した記憶もあるかと思います。 対して船灯の外周に潜む高活性で大型のケンサキイカは、同タイミングでも釣れ続ける事も少なく有りません。
そんな高活性で大型のケンサキイカを狙う為の投げて狙うリグがオモリグとなります。 (図2参照)
2タックル準備されるなら、ベイトと投げる事が可能なスピニングタックルが釣果&サイズアップの近道です。